REPORT of SHIBUYA SLOW STREAM vol.5

REPORT of SHIBUYA SLOW STREAM vol.5

9月のテーマ:「あそびあるこう」

9/10(金)〜12(日)の「SHIBUYA SLOW STREAM」のテーマは「あそびあるこう」。3周年を迎える渋谷ストリーム記念企画とあわせて、お祝いや感謝の気持ちを込めての開催です。寄り道気分で、渋谷川沿いを歩いたら思いもよらぬ発見があるかも。今回は、提灯をひとつのモチーフに、誰もが体験した「いつか見た縁日」を感じるようなSHIBUYA SLOW STREAMです。
 
 
 
提灯づくり体験
稲荷橋広場には、ポスターなどのイラストを担当しているSTOMACHACHE.さん直筆の提灯が並び、その下では提灯づくりが体験できるワークショップも開催し、おもいおもいの提灯をデザインできます。そのままお持ち帰りいただき、提灯を灯しながらまちを歩いていただくのも良し。会場に展示いただくも良し。みんなで風景を彩ります。
 
 
渋谷川沿いにあっとおどろくカッパが登場。「異形のもの」が、まさにまちをあそびあるいていく様子に、驚きも喜びも、どよめきも歓声もひろがります。渋谷という都心でありながら、時空を超える伝説の出現が不思議となじんでいくのも、渋谷川沿いだからこそ!?
 
 
SURUTOCO(シルクスクリーン体験)
この催しのおなじみ、「シルクスクリーンの遊び場」であるSURUTOCOさん。いつでもどこでも、あっという間に印刷体験。お好きなトートバックなどに自由に印刷を遊ぶことができますが、今回はSHIBUYA SLOW STREAMのオリジナル手ぬぐいをその場で制作。2つのデザイン、5つの色から選んで制作スタート。刷り上がったあとに自然に拍手が起こるのも嬉しい一コマです。
 
 
HAPPYBALL
卒園・入学祝い、誕生日、母の日、父の日、結婚祝い。特別な相手に自分らしい演出で気持ちをお届けする事ができる、手のひらサイズのくすだま「HAPPYBALL」と、さらに小さいサイズの「HAPPYBALL mini」など。クリエイターの方が生み出したプロダクトが並びます。精巧さと暖かさの裏側には、なんと一つずつ手作りという逸話も。そして、ご本人自らの手売りだからこそ、いろんな会話もはずみます。
 
 
ストアルーム いい
クリエイターが作品やオリジナルグッズを販売する、早稲田にあるお店ストアルーム いいさん。今回は、縁日にあるようなゲーム小屋もあわせて展開。射的、積み木、おみくじ、ボール投げ。縁日気分を盛り上げる懐かしい体験ではありますが、一筋縄にはいきません。そこにはクスリと笑いがはみ出す工夫が満載。「射的の的は、ジビエとしての鹿」、「積み木は『徳』印だから、徳を積む」、「おみくじはラーメン」などなど、尖っているようで話を聞けば納得の子どもも大人も楽しいコーナーです。
 
 
PARADISE BOOKS
PARADISE BOOKSさんは、楽園のような場所に立ち現れては消えていく不思議な移動図書館。 今回も、サーカスのような大きなコットンテントのティピが登場。「あそびあるこう」をテーマに、世界中の不思議と出会えるような視点を提供してくれたり、古今東西のまちを扱った本などもずらりと並び、ゆっくり読書をしながら、頭の中は世界中を旅行気分です。
 
 
Aokid
渋谷駅でのゲリラパフォーマンスや代々木公園を舞台とするパフォーマンスイベント「どうぶつえん」など、ストリートダンスや現代美術の世界を横断するAokidさん。ZINEやドローイング、立体表現など、パフォーマンスのようなプロダクトのようなアート作品が並びます。
 
 
ハルカゼフラワー
ひと足早く秋を感じさせるお花たち、ひとくせあるからこそ愛着が湧く観葉植物をはじめ、花瓶や鉢といった雑貨などを並べてくれたハルカゼフラワーさん。季節を感じることはもちろん、このお店でしか出会えなそうな珍しいものの数々は、お花っていきものだなと感じさせる迫力です。
 
 
似顔絵マシーンRicco.&Govo
イラストレーターのRicco.さんとGovoさんによるちょっぴりシュールでファニーな似顔絵マシーン。マシーンの前に座って、イラストのテイストを選べば、まちなかにある証明写真の撮影機のように似顔絵が出来上がってきます。マシーンなのに?マシーンだからか?描かれる側のお客さんもイスに座った直後から不思議と自然に笑顔がこぼれます。
 
 
出かけるおもちゃ屋 そのつ森
保育士・幼稚園教諭・おもちゃコンサルタントのもりたゆきのさんが手掛ける、出かけるおもちゃ屋 そのつ森さん。ヨーロッパの木製玩具を中心に、文房具、絵本、カードゲームなど、赤ちゃんから大人まで楽しめる世界のおもちゃが並びます。今回は、自分のこけしをデザインするワークショップも同時開催。
 
 
the vanitas tokyo
通常廃棄される事もある革の部分を使用したメモカバーなど、廃材や過剰に作られた素材を意識し、優先して活用した商品を展開する、the vanitas tokyoさん。エアバックの素材をそのままつかった円形バックなど、目を引くものばかりです。
 
 
softcream
東京発アングラブランド、softcreamさん。普段から顔出しはされていないため、特別に後ろ姿でご紹介。「ああ、あのお店で売っていたやつだ」という声も聞こえながら、お買い物姿がたくさんみられます。デッドストックや試作品などが集まるから、お得。でも、もちろんそれだけじゃないところの意味を考えさせられます。
 
 
HUNTISM
伝統的・定番的な帽子に「今」を意識したアレンジを加えて提案し続けるというHUNTISMさん。国内の職人たちによる、こだわりの伝統手法で仕上げられながらコンテンポラリーなデザインの帽子が並びます。
 
 
ZERO PER ZERO
ステーショナリーをはじめポスターなどの2ndグレード品やデッドストック品、サンプル品などを販売してくれた韓国のグラフィックデザインスタジオ・ZERO PER ZEROさん。ここだけの特別販売多数で、写真で紹介できないものばかり。次回の参加もお楽しみに。
 
 
100BANCH
「若い世代とともに新しい価値創造に取り組む『未来をつくる実験区』」という100BANCHさんからは、「わがままを身に纏い、人生に前のめりになろう」というWaQ!!!さんが登場。こういうTシャツを着た人がたくさんまちを歩いたら、その景色に感動しそうです。
 
 
カクウチ・ベース POP UP SHIBUYA
リバーサイドにある開放的なリカーショップコラボレーションBAR、カクウチ・ベースさん。SHIBUYA SLOW STREAMでは、シュラスコ、キビ、パステウなど、ブラジルのポピュラー料理を特別に。ライムスカッシュなどのノンアルコールドリンクも料理との相性バツグンでした。
 
 
DEAN & DELUCA CAFE
世界中の美味しい食べ物をあつめた、食するよろこびをお伝えする食のセレクトショップ、DEAN & DELUCA CAFEさん。渋谷ストリームの店舗でも食べられない、今回限定のバーガーも登場。牛肉100%のパテをふわふわメープルナッツドーナツでサンドされた逸品です。
 
 
TEPPAN KITCHEN
TEPPAN KITCHENさんからは、鉄板で焼き上げた串料理、お好み焼きや焼きそば。みんな熱々。食材は、毎日仕入れて丁寧に仕込まれているそう。昔ながらのラムネも冷やされて、縁日気分が盛り上がります。
 
 
Sora Japanity
Sora Japanityさんは茶葉の生命感、土壌のエネルギーをダイレクトに味わう、香り高い単一品種の日本茶「香りたつ茶畑」を販売。全国のコンテスト受賞茶などから、数年かけて「香り高い」日本茶だけを厳選。料理・スイーツとのペアリングも提案してくれます。
 
 
渋谷川をぐるっと一周、ゴミ拾い
渋谷川は、今ではカルガモなどの生き物も訪れるようになりましたが、まだまだ川へのゴミの投げ入れの問題や季節によっては害虫の発生といった課題もあります。SHIBUYA SLOW STREAMは、イベントを通じてみんなで渋谷川周辺の景色や環境に目を向けて、居心地の良い水辺空間をつくっていきたいと考えています。いつもの清掃活動に加えて、イベント内でも参加型のゴミ拾い活動も進めています。回数を重ねていくほどに、エリアもきれいになる。そんな取り組みになることを願っています。
 
 

「あそびあるく」をふりかえって

まちであそぼう。まちであるこう。それは言い換えれば、あそびがいのあるまちって?散歩しがいのあるまちって?という自問でもありました。今回のテーマである「あそびあるく」には、そんな眼差しが込められていました。そういえば、お店ってそもそも「見世(みせ)」という言葉に由来するらしい。逸品を見せる、それを集めて並んでいる様子を見せる、つくっている様子を見せる。そこには、往来の人々の興味関心を育む工夫がたくさん。民俗学者の宮本常一は、商品だけでなく「人」を見せるのが本義と言っていたとのこと。鍛冶屋さんや下駄屋さんなど、かつての職人さんたちが、ものを作っているところを見せて売っていたのが、その原風景であるらしい。(そのあたりは、山本志乃による『「市」に立つ: 定期市の民俗誌』を一読されるのがオススメです!)時代は変われど、誰かの得意なことが「催しもの」の形で見えてくるということは、なんだかとってもワクワクしますよね。そして、まちの成り立ちという意味でも、それこそが着目すべき原点であるようにも思います。カッパもあそびあるいた今回のSHIBUYA SLOW STREAM。これからも、あそびあるきがいのあるまちを目指して、引き続き、想いは変えずテーマの切り口は変えて、ほぼ毎月開催を目指して継続していきます。また、ご来場をいただくお客様はもとより、出店をしてみたいプレイヤーの方も募集中です。お気軽にお問い合わせください!