SHIBUYA SLOW STREAMのうしろ側

SHIBUYA SLOW STREAMのうしろ側

いろんな方に足を運んでもらいたい。そして、街の喧騒からほどよく距離があり、少しゆっくりした時間が流れる渋谷川沿いのこのエリアでくつろいでもらいたい。そんな想いのこの取り組みは、敷居を高くしたくはないものの、とはいえ、その想いにある奥行きも感じてもらいたいと同時に考えてしまいます。というわけで、「SHIBUYA SLOW STREAMのうしろ側」と称して、想いを交わすトークをお送りします。
 
 

「からだを預けたくなる、音楽」って!?

-「からだを預けたくなる」って、SHIBUYA SLOW STREAM(以下、SSS)でよく出てくるフレーズですよね。
 
そうですね。そもそも、渋谷ストリームの稲荷橋広場って大きな階段があって、それがベンチ代わりになっていたり、渋谷川沿いって、渋谷では珍しく座れるところがたくさんあるんですよね。そうやって、身を置ける場所が街にあるって大切なことだと思うんです。
 
-今やSSSでお馴染みになってきた紙の素材のストリートファーニチャーも、まさにからだを預けたくなる感じになってますね。
 
ホントそうです。からだの預けがいのある街にどんどんしていく必要があると思うんです。風がそよいだり、木陰が気持ちよかったり、川のせせらきが聞こえたりしたら、もっともっと、からだを預けたくなりますよね。そういう気持ちが湧いてくるところって、良い街って感じがしてきますよね。
 
-渋谷川のほとりのこのエリアは、そういう可能性がもっと高めていけそうですよね。
 
前回のSSSでは、渋谷の街歩きを兼ねつつ渋谷川に降り立ってみるという体験もあって象徴的でしたが、渋谷川にみんなでじっくりゆっくり意識を向けつつ、人間にも動物にも植物にも居心地の良い場所にしていけたら素敵です。
 
-SSSをきっかけに渋谷川のほとりでビオトープづくりも始まりましたし、夢がありますね。
 
都市って、人の夢をエネルギーに成長したり成熟したりするところがありますよね。今回は、そういう願いも込めつつ、音楽にからだを預けられたらと思うんです。
 
 
 

音楽と馴染んでいる街

SSSって、いろんなことをやっていますが、その根底に「良い街ってなんだろう?」という問いがあるんですよね。
 
-あまり語り過ぎると熱く苦しくなりそうだから控えていますが、運営チームみんなで大切にしている問いですよね。
 
しつこいんですけど、からだを預けたくなる街がそうであるように、音楽とちゃんと馴染んでいるような街も、同じように良い街だと思うんですよ。
 
-でもそれって、ただスピーカーから音楽が流れていればいいというわけではないですよね。
 
もちろんそうなんです。そこが難しいところだし、考えないといけないところですよね。そこの違いとちゃんと向き合っていかずに、文化みたいなことを語ってはいけない気もしています。
 
-また熱苦しくなってきましたね。
 
ああ、ついつい(笑)。まあ、熱苦しいのは置いておいても、ホント、駅近くのひらかれた広場で開催しているというのもありますけど、子どもも大人も、おじいちゃんもおばあちゃんも、目指して来てくださる方も、たまたま通りかかった方も、みんなみんなウェルカムなので、じっくりゆっくり喜べる時間が流れたら最高です。ワンちゃん連れも大歓迎です。
 
-SSSの運営チーム、みんな動物好きですからね。
 
音楽以外にも「からだを預けたくなる」という意味では、約3mの乗れるロボットも来てくれますし、大きな天使の人形とダンスできますし、光スライムもウニの卓上ランプもつくれますし、巨大なシャボン玉も浮かべますし、それに…。
 
-はいはい。なんかまたSSSらしいというか、一口には語り尽くせないものになりそうですね。
 
写真:立山大貴