SHIBUYA SLOW STREAMのうしろ側
いろんな方に足を運んでもらいたい。そして、街の喧騒からほどよく距離があり、少しゆっくりした時間が流れる渋谷川沿いのこのエリアでくつろいでもらいたい。そんな想いのこの取り組みは、敷居を高くしたくはないものの、とはいえ、その想いにある奥行きも感じてもらいたいと同時に考えてしまいます。というわけで、「SHIBUYA SLOW STREAMのうしろ側」と称して、想いを交わすトークをお送りします。
ニコニコ体操教室:思わず思いもよらぬ、からだの動きをしちゃうこと
ーAokidさんって、普段から渋谷の街でパフォーマンスをされていますよね。美術手帖のインタビュー記事では、「東京はショッピングには適しているかもしれないけど、自分がいまここにいて、何かできるっていう気にはあんまりさせてくれない」というお話もされていて印象的でした。
そうですね。ダンスをしたりしなかったり。ただゆっくりしたりビールを飲んでみたり。ずっと「まちをフリーにつかっていく」みたいなことをしています。
ーギャラリーでの展示やパフォーマンスもされていますが、都市を活動の舞台にするということへの強い関心と実践を寄せられているのがとても気になっています。
アートをアートとしてたらしめているのは、なにもギャラリーや展示という制度や形式ではないと思うんで。今回は、サトウカイさんという教育にも携われている方とペアを組んで、入り口は体操教室だけど、出口がちょっと違うところへといった体験がつくれたらいいなと思っています。
Aokid:"ダンス、アート、音楽、言葉、状況"など様々な方法によって分野を越え都市からの活動を展開する。Photo:ShinichiroIshihara
さとうかい:2000年生まれ。クリエイティブスクール「GAKU」で働きながら、街を舞台にZINEや催し物を企画制作する。
惑星ハイタッチ練習:お守りのようなハイタッチ体験
ー大きな天使の人形をギュッとしたりされたり、ハイタッチもできちゃうんですよね?
そうです、そうです。宇宙のような都市を行き交うもの同士が、ハイタッチできたら最高じゃないですか!?みんなそれぞれに人生いろいろとあると思うんですけど、そういう体験ってお守りみたいなものだと思うんですよね。
ーなんかそういう街って、いい街だなって思えそうです。
boy,boy,boy,?:ぼぼぼってよみます。ぎゅっとできるものをつくります。
スポーツチャンバラ公開練習&体験会:遊びとスポーツが重なるところ
ーチャンバラごっこって、ほんと楽しかった記憶があります。でも、大人になるとなかなかやる機会もないし、そもそも今の子どもたちもチャンバラをする機会がなかなかないような気もします。
そうなんですよね。だからこそ、いざやってみると、深い喜びがあります。それに、年齢も性別も関係なく誰でも気軽に楽しめますし、同時に、奥が深い世界なんです。
國學院大學体育連合会スポーツチャンバラ部:昔ながらの遊びをスポーツへ 。
Placemaking Kit:座り方が変わると、体験も変わる
ー「Placemaking Kit」のストリートファーニチャーは、前回のSSSでもいろんな座り方が生まれていました。一口に座るといっても、リクライニングのようにからだを預けたり、腰かけたりと、いろんな使い方が生まれますよね。
そう、遊びも生まれていましたね。座り方一つで、街の見え方も過ごし方も変わってくるので、今回も、ゆっくりのんびり皆さんにくつろいでもらいたいですし、都市の新しい味わい方をしてもらいたいです。
勝亦丸山建築計画:「その場所や前提の条件を探り(RESEACH)、そこに何が必要かを考え(DESIGN)、実践を通して学びを得る(OPERATION)」までを行う建築家チーム。
わなげと紙の遊具:街の元気を、ここから
ーいつも思うんですけども、わなげそのものは馴染みのあるものなんですど、デザインや景品がすごいユニークで他には存在感がほとばしってますよね。
景品はデットストックの雑貨だったり、デザインは絵師が手掛けていたりと、いろいろとこだわっているんです。とはいえ、わなげ屋さんをやることだけが目的なんじゃなくて、わなげ屋さんを通して、いろんな気持ちを後押ししたり、元気な気持ちを膨らませていきたいんですよね。
ーみなさん、ギャラリーやったり、リサイクル事業やったり、シェアスペースを運営していたりと、本当にいろいろと手掛けられていますよね。あの手この手で、良い状況を生み出すことに全力なんだなと。
わなげボーボー:現代画師である"平山達也"や"ABEBE"が描き上げたオリジナルアートわなげ屋さん。昭和玩具や、縁日玩具、ちょっとしたレアものまで登場する新世代アナログゲーム店。
都市はわたしたちのダンスフロア:遊びに自己紹介はいらない
ー「都市はわたしたちのダンスフロア」。同名のZineを販売しつつ、実際にダンスフロアもつくっちゃおうという試み。とても愉しみです。
もうね、まずわたしがホント愉しみです。「夜遊び」って奥深いものだなと思っていまして、音楽や踊りやお酒を通して生まれる人との出会いって、肩書とか関係なく、その人そのものと触れ合える感覚があるんですよね。
ー実際のところ、そういった人との出会い方ってとても大切な気がします。
都市って、そうじゃなくっちゃ!
アクネサトコ:アーバニスト、プランナー、一般社団法人for Citiesの広報担当。
Mountain top herbs:ビビッとからだとこころに響くジャマイカのハーブ
ーイギリスのRoyal College of ART Design Interactionsコースや、世界最古のオーガニックガーデン研究施設Garden Organicで活動したり、ジャマイカのメディシンマンからジャマイカのハーブのことを学んだり。カブさんって、アートの領域で活動もしながらも、どんどん地球にはみ出ていくというか深まっていくというか、なんか言葉にしづらいんですけどグッときます。
ハハハ。アートがどうということよりも、ビビッとハートにきたかどうかというところが大切な気がしてます。
ービビッときたという意味では、調合して頂いたハーブドリンク、からだにすごい染み渡る感じがありました。
うれしい♡ ジャマイカのハーブってほんとパワフルなんです。日本ではあまりみかけないジャマイカならではなものを持っていきます。ぜひ楽しみにしていてください。
Mountain top herbs:深沢アート研究所 緑化研究室 カブ主宰。さまざまな国 ・地域 ・ 団体と関わり現代アートを基軸として緑化活動や作品展示活動をする。2018年より ジャマイカ派遣(JICA)にてNGO JAID、Edna Manley college of art、Institute of Jamaicaで活動。
DRiNKUP!!:希少なクラフトビールが大集合
ー日本、カナダ、アメリカ、ニュージーランド、イギリス、香港、ノルウェー、ラトビアなどなど。世界各地のブルワリーと提携しているんですよね。
そうです。季節やビールの提供先によって、世界中の提携先からセレクションしてお届けしています。
ーなんかDJみたいですね。高円寺の店舗にお邪魔したときに、大きな冷蔵庫にたくさんのビールが並んでいるのが壮観でした。まさにレコードみたいにジャケット買いしたくなります。
味もそうですが、個性豊かなラベルも一緒に楽しめますよね。そもそもわたしたちがクラフトビールのことが大好きなので、ブルワリーで大切につくられたクラフトビールを、仕入れた後も同じように大切にしたり愛でたりしています。お客さまにも「こんなに美味しいビールがあったんだ!」って思ってもらえたら嬉しいです。ビール文化を豊かにしていきたいんです。
Drinkuppers Inc:海外現地でも容易に手に入らないような、希少でハイクオリティなクラフトビールを取り扱うインポーターです。
ICE CREAM FEVER「映画みてアイス食べヨ」:この街の映画に登場するアイスをこの街で
ースペシャルティコーヒー専門店「猿田彦珈琲」と映画『アイスクリームフィーバー』のタイアップで生まれたアイスクリーム。ちょうどSSSとほぼ同じタイミングの7/14公開ですよね。
そうです!映画を観ることと、映画に登場するアイスを実際に食べること。ぜひどちらも味わってもらいたいです。渋谷ストリームもロケ地として登場しますし、渋谷の街並みが映画の舞台になっているので、街の味わい方も少し豊かになるかもしれません!
ICE CREAM FEVER「映画みてアイス食べヨ」:芥川賞作家・川上未映子の短編小説「アイスクリーム熱」を原案にした、世代の異なる4人の女性の思いが交錯する姿をつづったラブストーリー。
Mrs.Charlotte:非日常を味わえるキッチンカー
ークレープもアイスも最高に美味しいのですが、世界観がスゴイですよね。
ありがとうございます。わたしたちは普段はクリエイターとしても活動をしていて、「Mrs.Charlotte」は、会社とかではなくて、個人のチームとしてやっているんです。アットホームにお話ができる空間にもしていきたいんです。
ー日々クリエーションに向き合っている人がやられているから、キッチンカーもアートワークっぽいし、それに美味しいし。そういうキッチンカーがたくさんある街になったら素敵だなと思います。
Mrs.Charlotte:“日常に優雅で贅沢なひとときを”普段の生活を少し飛び出して、まるでヨーロッパの街角に来たように非日常を感じてほしい。2人のクリエイターによる週末のキッチンカーのみのアイスクリーム&クレープショップです!
よい街って、なんだろう?豊かな文化のため?経済発展のため?健康や安全のため?予期せぬ出会いや多様な価値観の交流のため?ひらかれた居場所のため?さまざまな答え方があるであろうこの問いに、どのように答えていくべきだろう。「SHIBUYA SLOW STREAM」の想いの背景には、そのような想いもあります。とはいえ、大きな問いを抱えながらも、だからこそ、一歩一歩の積み重ねをじっくり大切にしていきたいと考えています。