REPORT of SHIBUYA SLOW STREAM vol.17

REPORT of SHIBUYA SLOW STREAM vol.17

 

今回のテーマは「音楽、珈琲、芸術、植物、春咲きフォーメーション」

渋谷ストリームに、音楽、珈琲、芸術、植物が集まります。でも、生み出したいのは「分類」じゃなくて「フォーメーション」。思いもよらないなにかと出会っちゃうような、なにかが始まっちゃうような。春のはじめにそんなインスピレーションのためのフォーメーションを組めれば最高です。
 

 

目次

開催概要
ふりかえりトーク
 

 

開催概要

 
6F:音楽 その場所の地中から生まれる音楽
【キュレーターメッセージ】
土着的な文化に惹かれる。言葉によって伝承される食事や歴史、動きによって伝承される土地ごとの踊りや仕草。伝承されるほど大切にされた価値観や文化。それが土着的ということなのだろうか。では、音楽はどうか。さらに焦点を絞っていくならば、都市における音楽が土着性をもてるかどうか。つまり、そういう願いや問いを抱えたものが今回の取り組みです。(沖メイ)
 
Rishao
Instagram|@rishao_ X|@rishao_
 
Julia Shortreed
Instagram|@juliashortreed
 
高井息吹
Instagram|@eve1015 X|@pf_eve
 
井上銘トリオ(井上銘、山本連、柵木雄斗)
 
沖メイ feat 松下マサナオ × 寺久保伶矢
 
TAMTAM
 
東郷清丸
Instagram|@kiyomarization
 
Yasei Collective(Large Scale Activity Set)
斎藤拓郎(Vo,Syn)、中西道彦(Bass)、松下マサナオ(Dr)サポートメンバー小金丸 慧(Gt)、佐瀬悠輔(Tp)、馬場智章(Ts)
 
空間演出:MOND and PLANTS Instagram| @mond_and_plants制作協力:GOOD TEMPO、音響:飯塚晃弘クラフトビールショップ:DRiNKUP!! HP|https://www.drinkuppers.com  Instagram|@drinkuppers  X|@drinkuppers
 
 
5F:珈琲 Tokyo Indies Coffee Festival
【キュレーターメッセージ】
私たちが提案したいのは「人柄」でコーヒーを選んでみるということ。現在、店舗を持たずに活動をしているロースターが多く生まれています。ゆくゆくは自身のお店を構えることを叶えたり、あえて店舗を持たずに場所を渡り歩くということを良しとしていたり、スタイルは様々。それは「インディーズコーヒー」という文化であるようにも思います。そして、そのような挑戦をする人がたくさん増えていったら、街はもっと豊かになっていくと思います。(田上凛太朗 蜃気楼珈琲、「Tokyo Indies Coffee Festival」主宰)
osmo coffee roaster Instagram|@osmocoffeehano coffee Instagram| @hano_coffee_officialROUTEMAP COFFEE ROASTERS Instagram|@routemapcoffeeroasters珈琲くるる Instagram| @_coffeekururu_KOTARO COFFEE ROASTER Instagram| @kotarocoffeeCoffee Tap Instagram| @coffee.t.a.pCoffee bouquet Instagram|@coffeebouquet_Teltta Instagram| @teltta_feellike@teltta_no_coffee23COFFEE Instagram| @23_coffee
KINO Instagram| @kino__whiskyKERR COFFEE Instagram| @kerr_coffeeWayMaker Coffee Roasters Instagram| @waymaker_coffee_roastersyuitobake Instagram| @yuito_bake菓子屋siki Instagram| @kashiya_sikiSMUTH Instagram| @nana.smuthwicket Instagram| @wicket_coffeeRauhaa Koffee Instagram| @rauhaa_koffee and more…!
 
 
4F:藝術 9つのアトリエ
【キュレーターメッセージ】
フロアに9つのアトリエが現れます。9人のクリエイターの方々、それぞれがその場で「つくる」という営みをし、時間を過ごしてくれます。もちろん完成したもののお買い物などもできますが、そういった営みに触れるということも、とても大切なことだと思います。(服部優稀 Camp Inc.)
 
ニシハラ☆ノリオ「かぶれる展示 」
 
二宮佐和子 / SAWAKO NINOMIYA「刺繍に囲まれた空間で刺繍を体感する」
 
AI KUWAHARA「エネルギッシュな模様の世界」
Instagram|@aikuwahara_
 
松本康孝/ペーパー・マツモト「紙だからできること。紙でしかできないこと。」
 
Manami Aoki「あたらしい木彫のカタチ」
 
MIN BAGGAGE「持つ人の所作と好奇心にアプローチするバッグブランド」
 
HANDPOWER POTTERY CLUB「あなたの手のひらが持つこの驚くべきPOWER」
 
PORTABLE PARK「どこでも遊び場に変えるプレイキット」
 
boy,boy,boy,?「we are neighbours.」
Instagram|@bobobo_dayo
 
 
3F:植物 この町を大事に思えるキオスク
【キュレーターメッセージ】
10代向けのクリエーションの学び舎「GAKU」。その中の、「伊東建築塾」とともに開講したクラス「この町を大事に思えるキオスク」。建築のクラスではあるものの、「この町を大事に思うってなんだろう?」「どういうお店だったら自分がワクワクできるだろう?」という問いを10代と一緒に考えるきっかけになりました。今回はその中のアイデアの一つを、お花屋さんである「fiore soffitta」とともに実際に形にしてみるというものです。花市場から仕入れてくるお花もありつつも、渋谷川ほとりの「雑草」も摘み取って並べることで、お店そのものが街の風景を現します。(佐藤海 GAKU)
GAKU
fiore soffitta
Instagram|@fiore soffitta
 

ふりかえりトーク

 
イベントを実施して、おしまい。それは、「ビルを作っておしまい」の街づくりとどこか似てきます。SSSは、そうであってはなりません。企画や準備に心を費やして迎えつつ、その成果をどうやって積み重ねていけるか!?というところが大事なはず。というわけで、心に留めておいたり、次に活かしていくための、手応えや感触って何だったの!?それを一同でふりかえっていく時間も大切にしています。ここでは、その一部を当日の様子とともにご紹介します。
 
カラフルとしか言いようのないもの
カラフルとしか言いようのないものってあるじゃないですか。
 
-え?はぁ。
 
で、それこそ、それって目指すべき状態でもあったりするんですけど、「で、一体何色なんですか?」と問われると困惑しつつも、「赤と青と黄と、、、いろいろあって」とかって、もごもごと答えざるを得ない状況になるみたいなことってよくあって。
 
-はぁ?
 
「分類」って、何かを探求したり、解き明かしたり、解決するための方法ですよね。だから、分類そのものは目的ではないはずなような気がします。
 
-ひょっとして、今回のテーマの話をしようとしています?
 
そうです。そうです。百貨店のことをイメージするとわかりやすい気がするんですが、目的のものを探しやすくするために、売り場を紳士服とか婦人服とかで分けてきたわけですよね。でも、そもそもに、その目的そのものが生まれる場所にしていくということを考え始めると、売り場の分類も変わっていくんです。その証拠に、現在の大規模商業施設を歩いてみれば、そのカテゴリー分けをどうするかというところに工夫を凝らしていることが見て取ることができます。ある意味無目的にぶらぶら歩くことによって、むしろ目的やインスピレーションが生まれたり、見つかる場所にしたいって。とはいえ、それが結構難しいわけなんですが。
 
-「分類じゃなくて、フォーメーション」というのは、そういう意味をはらんでいたんですね。
 
そうです、そうです。「物から体験へ」なんて喧伝されてから、もう数十年が経とうとしていると思うんですけど、つまりそういう時代の潮流のなかで、どのような分類をするかというのはすごく繊細な営みだなと思っていて。
 
-とかなんとか悩みながら、今回のテーマが「音楽、珈琲、藝術、植物、春咲きフォーメーション」になったと。
 
これが、分類というのものを否定して、「春咲きフォーメーション」だけだと意味が分からなすぎて辛いですよね。
 
-笑。
 
大阪の国立民族博物館の初代館長である梅棹忠夫という人は「分類よりも配列」ということを語っていて、「知的生産の技術」という本も書いているんですが、まさにそういうことを考えていたんじゃないかなって勝手に受け取っていました。博物館を歩いて回ると、なんかインスピレーションが沸いちゃうみたいな。
 
-なるほど。
 
だいたい、インスピレーション(inspiration)という言葉には、スピリット(spirit)という言葉が含まれていて、語源的には「息を吹き込まれる」という意味があったりするんですね。萎んだものが息を吹き込まれるような体験。そういう体験が街でたくさん生まれたら素敵ですよね。
 
-それはホントそうですよね。
 
芸と藝
-そういえば、芸術の漢字を「藝」にすることにこだわっていましたけど。
 
はい。今道友信という哲学者の本を読んでいたら、「芸は本当は『ウン』という音の農業用語で「クサギル」と訓み、雑草を刈りとることです。したがって、『種子を植えつける』という原意の藝とは、反対の意味を持つ字なのです」とあって、ちょっとギョッとしたんですよ。それで急遽、藝って常用漢字じゃないんですけど、表記を全部修正してもらったんですよね。SSSって、何かを刈り取るというよりも、何かの芽が出たりインスピレーションが生まれたり、そういうことを大切にしたいと思って開催しているものですから。
 
-それもホントそうですよね。こだわりといえば、今回は渋谷ストリームの3〜6階のフロアを全部使うという大規模であったのも手伝って、準備にかなり時間をかけてきましたよね。
 
それこそ、刈り取るのは早いですけどね、何かを育んでいくというのは時間がかかりますよね。というか、本来かけるべきですよね。
 
迎え入れることができるということ
あの、その、また例えばの話なんですけど、自分の家にお客さんが訪ねてくる時って、やっぱり掃除したりお茶菓子用意したり、準備しますよね。
 
-しますね。お客さんが来てくれるから、部屋が綺麗にしておくという気持ちにも張り合いが出ます。
 
そうそう。今回改めて思ったのは、SSSも二重の意味で同じようなものだなって。
 
-どういう意味ですか。
 
お客さんに足を運んでもらえるように心を尽くすのはもちろんのこと、例えば、ミュージシャンが気持ちよく演奏ができるように備えておくということも、同じようにスゴい大切じゃないですか。6階のキュレーションを担ってくださったmeiさんとも、結構そういうやり取りを繰り返したじゃないですか。
 
-やっぱり音響はちゃんとしてないとだし、空間の演出はしっかりやりたいし、居心地よくしたいし、と。それに、差し入れの軽食だって大事だよねって、話は尽きなかったですよね。
 
そうそう。前回も同じような話をしましたけど。やっぱり見えないところでも、やることをちゃんとやっておかないと迎えようにも迎えることができない。
 
-音楽と都市と言っても、「ただスピーカーから音楽が流れていればいいというわけではない」というやつですか?
 
そうそう。
 
-上澄みをすくうだけだったり、種まきや耕したりはしないで果実だけもぎとろうしたりする仕事って、ちょっとかっこ悪いみたいな話もしましたね。
 
そうそう。まさに、芸と藝の話。
 
-そうやって考えると、なんだかずっと同じ話をし続けているような気もしてきます。
 
いや、なんか思うんですけど、同じような話についてあの手この手でずっと考え続けて、活動を起こし続けて、そこからまた考えてっていうことの繰り返しがスゴい大事だと思うんですよ。そのなかでも、今回は「迎え入れることができるということ」の嬉しさや大切さをとても感じました。それが文化の厚みだなって。敷居は高くしたくないですけど、薄っぺらいものにはしたくないじゃないですか。
 
-また熱くなってきましたね。
 
もっと言うと、渋谷ストリームって海外からの旅行者の方も結構通るじゃないですか。
 
-はい。ホテルもありますしね。
 
今回、当日もチラシを配りつつ「ぜひ来てください〜」って積極的にやってくれていたじゃないですか。だからだと思うんですけど、通りすがりの人が足を運んでくれているケースがたくさん生まれていた感じがします。子どもも大人も、海外の方もで、ホントにざっくばらんで最高でした。
 
-向かい入れちゃいましたね。
 
都市文化の懐って、そういうものじゃないとねえ、やっぱり。